
◇アコンカグア峰個人遠征記
◇アコンカグア情報(98年12月:個人手配)
◆はじめに
- 12月7日より友人と2人で南米アコンカグアに行ってきました。あいにく、登頂は出来ませんでしたが、今回集めた最新の参考情報を掲載します。特に個人手配の方はご苦労が多いと思いますので、私たちの集めた情報を参考にしていただければ幸いです。
◆今回登山の概要
- ル-ト
- ノ-マル・ル-ト(北西稜)
- プエンタ.デル.インカ-コンフルエンシア-プラザ・デ・ムラス(B.C)-キャンプ・キャナダ-ニド・デ・コンドルス-ベルリンキャンプ-山頂
- 参加者
- 男2名(私34歳、相棒50歳) (過去最高峰は両人ともモンブランの4807m)
- 旅行期間
- 12月7日から24日迄(当初予定27日まで)
- 結 果
- 2人とも高度障害のため登頂できず。
- アクセス(フライトル-ト)
- 成田-ダラス-サンチャゴ(アメリカン航空)+メンド-サ(バス)
- 航空機旅費
- 日本-サンチャゴ往復 格安航空券で22-23万円
- バス旅費
- サンチャゴ-メンド-サ TACバス会社で約20ドル
- 所要時間
- 日本-ダラス 行き10.5時間、帰り13時間
- ダラス-サンチャゴ 9.5時間 (以上飛行時間のみ)
- サンチャゴ-メンド-サ:バス:6.5時間
- 使用資料
- 「ACONCAGUA、A CLIMBING GUIDE」 R.J.SECOR著
- *英文、米国で17ドルで購入
- ACONCAGUA GUIA RUTA NORMAL TALLER4
- *航空写真付きガイド(後述)
- 「ACONCAGUA、A CLIMBING GUIDE」 R.J.SECOR著
◆個人旅行者へのアドバイス
- ○メンド-サへの行き方
- メンド-サへのル-トは:
- 1)ダラス経由のサンチャゴ行き+長距離国際バス
- 2)マイアミか米国東海岸経由のブエノスアイレス行き+アルゼンチン国内線
- の2つの行きかたがある。結論から言うとサンチャゴからのバスはあまりお勧めできません。
- サンチャゴ経由だと値段は確かに安いが、空港からTAXIで市内のバスタ-ミナルまで行き、(サンチャゴは一般に運転手の質が悪く、必ずボル。相場は7000ペソ=15ドル、20~30分)、更にバス(30~60分おきにあり、複数の会社が運営:約20ドル)でメンド-サ迄6~7時間(国境での入国審査、荷物検査が異常に長く1時間近く待たされた)、更にメンド-サのバスタ-ミナルからTAXIを拾い(中心部なら2~3ドル、メンド-サのTAXIは良心的)ホテルに入るという、荷物の移動回数が多いだけでなく、時間的にもかなりきつい旅程となります。
- サンチャゴ~メンド-サの航空機は早朝と夜の2便のみで片道約120ドルです。但しアメリカから入る航空機は昼頃付くので、待ち時間が6時間以上になります。
- 一方ブエノスアイレス経由なら、国内線が日に6便程度あり、バスの場合の様な面倒な入出国手続きありません。アルゼンチンの国内線の値段は分かりませんが、サンチャゴから国際線で行くのとあまり変わらないと思います。
- ○ メンド-サでの登山手続き、交通の手配等
- 登山の入山許可証がここでしか手に入らない為、この街がアコンカグアに行く登山者の拠点になります。
★98年、登山に掛かる諸費用の値段は以下の通りです
- ◇ラバ
- プエンテ・デル・インカ~プラザ・デ・ムーラス(B.C)間
- 1頭片道120ドルで荷物は1回60kg迄
- 帰りはB.Cで1日前迄に予約(下に無線連絡してくれる)
- ◇馬 :人間運搬用で片道150ドル
- プエンタ・デル・インカ~プラザ・デ・ムラスを約5時間
- ガウチョ(カ-ボ-イ)と共に移動する。
- ◇ミニバス : プエンタ・デル・インカ迄、2人往復で190ドル (ホテルまで迎えに来る)
- ※参考までにTAXIは自前チャ-タ-で片道100-130ドルが相場です。
- ◇ホテル・レフーヒオ(4350m)
- 1泊 8~10人部屋 15ドル
- 4人部屋(トイレ付)25ドル
- 温水シャワ-使用料 10ドル
- ◇ホステリア・プエンテ・デル・インカ(ホテル、2800m) 62ドル(2人)
- ※個人手配の場合、ロバと送迎費用以外の宿泊費等は直接現地払い出来るので(結局値段は同じ)手配業者にわざわざ全部払う必要はない。登山手続きは代行できるので、事前にここに頼んで郵送して貰うのもいい。(サンチャゴからダイレクトで現地に入る場合等は便利でしょう)
- ○ 登山手続きは「PARK PROVINCIAL ACONCAGUA」で行う。
- 市の西側公園内に事務所がある。中心から徒歩10分。パスポ-トを持っていくこと。
- * この入山許可書にはB.Cまでの簡単なコ-ス地図や各地点、橋、水場等のGPSの緯度経度、高度が詳細に書いてある。座標系はWGS84。GPSを持っていくと便利かも。
- ○ 地図 5万分の1の地図はブエノス・アイレス以外では入手困難。結局メンドーサでは手に入れられず。私的なアコンカグアの登山会(Club Andinista Aconcagua Tel:319870)がメンドーサにあり、地図の販売が水曜日の夜にあるらしいが、実際には連絡が取れなかった。アコンカグア登山ルートを全部カバーするには4枚の5万分の1の地図が必要で、結局、山でこの地図を持っているのものには出会えなかった。
- * 「Aconcagua Guia Ruta Normal Taller4、en La Cima」なる 航空写真付きコースガイド(10ドル) というものがある。かなり詳細で分かりやすい。各地点も詳しく 写真で紹介されている。地図が無くてもこれだけで何とかなるだろう。 (実際迷う可能性が有るのはコンフルエンシア~B.Cの間くらいで、B.C.以降はトレールがしっかりついている) 英文とスペイン語併記で連絡先は以下の通り 但し、この地図作製の会社名がよく分かりません 。
- 問い合わせ先は
- メンドーサ Tel/Fax (061) 296468
- ブエノス・アイレス Tel (01)312-3344 Fax 311-0342
- ○ 登山道具は「地球の・・」にある店はつぶれています。中心部に近い 「Pire」ならホワイトガソリン、ガスボンベ(青いやつ)くらいなら手に入ります。(小さい店で品揃えは期待薄)
- 住所:Las Heras 615tel: 257699email: Pire@Gml.Com.Ar
- 注)ケロシンタイプのストーブは使わないこと。夏場は市郊外のガソリンスタンドでしか手に入らない。やはりホワイトガソリンタイプが良い。
- ○ 食料
- メンドーサ市内のスーパーは品揃えはいいが、インスタント食品がかなり少なく缶詰も余りない。日本からスープの素やラーメン、うどん類、アルファ米等は持っていった方がよい。(洗浄済みの白米や、味付けしたライス類は売っているが、気圧の関係で炊けるまでに30分近く掛かり、芯が取れず、異常にまずい)また、パンも良く選ばないとボロボロで質の悪いものに当たる。フランスパンのような堅めのほうがよい。ミネラルウォーターもB.Cでは1リットル4-6ドルするのでメンドーサで何本か買っておくのも良い。肉類も最初の2日くらいならOKでしょう。
- 注) 食料の大部分はラバでB.Cへ送りますが、果物類は運搬中にかなり傷みます。リンゴはへこみ傷だらけ、バナナは原型を留めていません。ミネラルウォーターも1本破けました。
- ○ ホテル
- 「地球の・・」には日本人の登山者が訪れる民宿が紹介されているが、実際には閉鎖されており、電話も通じない。再開されても市内からかなり遠く、周囲は住宅地で、買い出しや情報収集にはかえって不便でお勧めできない。宿は市の中心部に近いところにすべき。特にインデペンデンシア広場周辺がよい。ランドリー、登山用具、本屋、Aymara等の旅行業者、スーパー等全て徒歩10分圏内にある。
- 市中心部のホテルのお勧めとして
- *1泊30ドル程度なら、シングル、シャワー&トイレ付き(繁華街のすぐ近く で買い物便利、部屋は小さい) Hotel Horcones (1.5つ星くらい?) 住所: Av.Las.Heras 145 Tel:250045
- *1泊90-100ドル( ツイン、朝食込み)で 冷房+プール付き (アルゼンチン登山家が所有者。但しフロントは英語が片言であまりアコンカグア情報は期待できない) Hotel Nutibara (3つ星) 住所: Av.Mitre 867 Tel:295428
- *お勧めレストラン(市内の高級レストラン、ワイン+食事で1人20~30 ドル) 珍しく英語が通じ、メニューも英語があり、滞在中で一番美味しかった。 Restaurante Italo Argentino Tel:230751 場所はHotel Horconesのすぐ近く。市内ではかなり有名。
★登山の概要
- メンド-サ(1000m)~プエンテ・デル・インカ(2700m)
- 車で約3時間。我々はAymaraの手配したミニバスで行く。メンド-サから日に2本くらいロ-カルバスが有り、4時間くらいでいける。メンドサ~サンチャゴ間の国際バスは原則止まらず。(但し交渉可能かも)プエンテデルインカはインカの温泉沐浴場の遺跡がある。湯温は30cくらい。鉄分の多い温泉。上部の露天風呂が一番暖かいが、2人くらいで満杯(水着かタオル持参)。一般客が泊まれるロッジは2件くらい。冬はスキ-リゾ-トとなる。(宿の1つが前述のホステリア・プエンテ・デル・インカで食事もまずまず。他に民家が10件くらいで、ラバの荷積みもこの村で行う。ラバは預けた翌日の出発となる。高所順応1日目に泊まる人も多い。
- プエンテ・デル・インカ(2700m)~登山道分岐迄(2800m)
- 約2km、チリ側(西)へメンド-サからの国道7号線沿いに歩く。途中カ-ブを上がって右側にアルゼンチンの出国審査場有り。アコンカグアはアルゼンチン領内のためアルゼンチン側の登山者は寄る必要なし。(チリから直接入山する人はここで入国手続きしないとまずいのでは?)Aymaraのミニバスはプエンテ・デル・インカのラバ屋に荷物を預けると、ここまでは来てくれる。
- 登山道分岐~レンジャ-基地(Lago Horcones、2900m)
- 良く整備されたダ-トロ-ドに国道7号線から北側にそれ、2km程行く。この道はアコンカグアが国道から見える唯一の場所から始まっているので見逃すことはない。分岐点の少し奥に、よく目に付くモニュメントもある。暫く2kmほど行くと銀色の建物と、青い受付のテントが目に入る。ここで受付を済ませ(5分くらい)、ゴミ袋を受け取り、登山開始。
- レンジャ-基地~コンフルエンシア(Confluencia、3300m)
- 3~4時間。コ-ス入山許可証に書いてある地図を見れば、よく分かるル-ト。初めは川の左岸、1本目の吊り橋を渡ってからは川の右岸を行く。(注)川の水も脇から流れる流水も、赤銅色のドロ水で飲用不可。2本目の小さな橋を渡ったらすぐ左折し、(道標有り)、そのまま川の北側を(300mくらいの距離)を若干登ると眼前にコンフルエンシアのキャンプ地が見える。ここにもレンジャ-の駐在がいて、ジュ-ス類(3ドル)を売っている。宿泊者用のテントや食事は無く、全て自分たちでの自炊となる。キャンプ地のすぐ北(50mくらい)に澄んだ川が水場となっていて、利用可。我々の時はテントは6張りくらい。
- コンフルエンシア~B.C(Base Camp 4300m)
- 8~9時間。1日で1000m以上の登りで、最後の2キロくらいの登りが300~400mありきつい。<このコ-スが一番迷いやすいので要注意。>(注)途中水場は全くなかった。2~3l/人くらいの水が要る。
- コンフルエンシアからは川の左岸を行き、すぐに丘を100mくらい登る。ホルコネスの谷間を川を右下に見て、道沿いにいくと、眼前にクエルノ山(5462m)が聳えるのが見える。ル-トは川の流れと共に変化しており、我々の時は2回川をトラバ-スした。浅いが場所をしっかり選ばないと、くるぶしくらい迄つかる。道はわかりずらく、ラバや馬の蹄鉄の跡や、糞が目印になる。午後には水位が若干上昇する。水はここでもドロ水で飲用不可。飲むなら、かなり高性能の濾過器が要る。
- ホルコネスの平坦な谷が急に登り(斜度35度くらい)になる所の手前に、屋根のない廃屋のコロンビア小屋(3900m)がある。ここから先は左右に道が分岐しており要注意。左の道はホテル・レフュ-ジオへ。右の道はプラザ・デ・ムラスへ。この登りはきつく2時間くらい苦しむことになる。いくら登っても、ホテル・レフュ-ジオ、プラザ・デ・ムラス共なかなか見えず、進行方向がわかりにくい。
- Base Camp: ホテル・レフュ-ジオ 4350m : プラザ・デ・ムラス 4250m
- <ホテル・レフュ-ジオ>は100人以上泊まれる宿泊施設(値段は前述の通り。)食事は朝昼晩選べて1回10ドル。水(6ドル)やビ-ル(3ドル)も買える。公衆電話があり、国際電話もできる。暖かいシャワ-が1回10ドルで浴びれるのが魅力か。ただし、アコンカグア山腹の登山道はプラザ・デ・ムラスが始点で、そこまで毎回30~40分歩かねばならない。ロビ-に小さなスト-ブが有るくらいで、部屋は寒く日中で2c、夜間は零下となる。食事はロビ-で取るが、ここで他のパ-ティ-と情報交換が出来て楽しい。
- <プラザ・デ・ムラス>はテント村で、食事の出来るテントや、レンジャ-のテント、ドクタ-(相談無料)のテントが立ち並ぶ。水(4ドル)やビ-ル(3ドル)も売っている。サイトの真ん中を小さな川が流れており、朝のうちは澄んでいて飲用が可能。衛生を保つためトイレは場所を守ること。テントは日が当たれば、レフュ-ジオより暖かいかも。
- ラバの荷物はあらかじめレフュ-ジオかプラザ・デ・ムラスに送るか指定すること。コンフルエンシア-B.C間のル-トは長く、本当につらい。個人でテントを持つ人は出来るだけ、軽量化に努め、体調が悪ければ、コンフルエンシアで連泊するか、コロンビア小屋でビバ-ク(ただし、水が問題。左の分岐道奥約200mに雪渓有り、但し年内に消滅か?)するなりした方がいい。我々は荷物が20キロ弱あったが、ここでかなり消耗した。
- プラザ・デ・ムラス~キャンプカナダ(4850m) 2.5~3時間
- キャンプカナダは大岩の後ろで下から見えない。水は近くの雪渓や、岩陰の雪が頼り。年明け頃には雪解けが進み、入手が困難かも。キャンプは登山道から右に500mくらいずれている。
- キャンプカナダ~ニド・デ・コンドルス (5350m) 2~3時間
- B.Cからはリッジの向こうで見えない。通常ここが1次キャンプ地。強風でテントが何基が潰された。夜間は-12c位になる。
- ニド・デ・コンドルス~ベルリンキャンプ (5900m) 3時間
- ドイツ人が去年新たな小屋を新設。ここのみ6、7人収容可能。残りの2つは廃屋。ここが通常アッタクキャンプとなる。山頂まで7~10時間。クリスマス過ぎには登山者が多くなり、小屋の使用は難しいだろう。
- <今回の山の状況・・・但し12月中旬の話>
- レフュ-ジオは宿泊者10~15人程度、プラザ・デ・ムラスはテントが20基位で比較的静か。但し、どちらもクリスマス~新年はかなり混むらしい。
- 雪はニド・デ・コンドルスより上にあり。ニドで20~30センチ。ベルリンで40~60センチ。但し、急速に解けている。
- B.Cでは到着前後の4日間が曇りや小雪+強風、後、2日間晴れるが強風が止まらず、ニドから下山者が続出。テントも何基か被害に遭った模様。
<雑感>
- 我々2人はメンド-サからB.Cまで1泊で上がったことがたたって、高山病に苦しみました。荷物も重すぎたようです。結局荷揚げ作業も空しく、キャンプイン後4日目で下山する羽目になりました。今回は天気にも恵まれず、各国の元気な山中間達も強風で断念したところが多かった様です。非常に残念ですが、この時期の登頂率は2割も無かったようです。それでも、山を通して、多くの仲間に巡り会え、貴重な経験が出来たので大変満足しています。近い将来又再挑戦する事になるでしょう。今回は余った時間を利用して、パタゴニアに行ってきました。
- 登頂を成功させるには、分かり切っていることですが、高所順応を慎重に行い、予備日を十分にとるべきです。プエンタ・デル・インカ~B.Cまで最低3日、出来れば4~5日かけるのがいいと思います。B.Cまで上がってしまい、ここで、運悪く高度障害が出ると、下山するにも遙か下の、コンフランシアまで、テント、食料を担いで降りねばならず、再起するにも、厳しい状況に陥ります。我々はモンブランでも全く障害が出なかったので、正直言って油断していました。B.Cで2日目以降から不眠が始まり、2人とも予想以上の早さで体調を崩しました。レフュ-ジオにいたマキンリ-を7日で登頂した米国人も高度障害で下山をしました。高山病だけは過去の経験則があまり通用しないようです。B.C以降も忍耐強く荷揚げや、空荷での登降を繰り返し、徐々に体を慣らすべきです。ニド・デ・コンドルスでは誰でも、多少の高度障害が出ます。天候が悪くてもB.Cでかなり順応できればここで停滞も可能でしょう。ベルリンで停滞するのは相当体力のある人か、順応がきちんと出来ている人に限られるでしょう。この高度では体力が目に見えて落ちていきます。
- 今回の報告は私的な情報を省いて、個人登山の労力を極力省けるようにとの観点で作成しました。臨場感は無いかも知れませんが、皆様の事前の準備のお役に立てれば幸いです。
以上
以下は帰国後、友人に当てたE-Mailのコピ-です。
- 友人各位
- 24日夕刻、無事帰国しました。12月7日~24日までに会社の同僚と2人で、南米アルゼンチンのアコンカグア山と、単独でチリのパタゴニアの火山に登ってきました。
- 出発当日の午前中まで、アンカレジ往復の徹夜乗務を行い、一旦佐倉の自宅に荷物を取りに行き、更にその日の夕刻にチリのサンチアゴ向けてダラス経由で飛行機だけで20時間という超ハ-ドな日程でした。苦しみはこれで終わらず、その後サンチャゴからアルゼンチンのメンド-サまで、約500kmをタクシ-で200ドルで行く交渉がまとまり、一安心したものの、その運転手が国境の入国審査で車検切れの為断られ、国境でトラックをヒッチハイクする事態に陥りました。メンド-サまで結局10時間近くかかり、ホテルに付いたときは完全なグロッキ-状態でした。
- 次の日はメンド-サで入山許可証の取得や登山用スト-ブの燃料や食料の買い物で終わり、翌日の10日から登山を開始しました。時差が日本と12時間で昼夜が完全に逆転しており、体調は最悪でしたが、この日のうちに標高3300mのキャンプ地・コンフルエンシアまで上がりました。大きな荷物は事前にラバでベ-ス・キャンプに運ばせました。最初の野営地までは4時間で着いたのですが、周囲が草地で季節が真夏のため、花粉がすごく、目や鼻が充血して、殆ど眠れない状況でした。
- 翌日は10時間かけて、標高4300mのベ-スキャンプまで20キロ近い荷物を背負って一気に上がりました。しかし、体調もさることながら、、一晩でこの高度に上がったことが、高山病を誘発する大きな原因になったようです。
- ベ-スキャンプでは、レフュ-ジオという小屋に泊まり、高度に慣れるのを待ちましたが、日中でも部屋の気温が2c位でとても寒く、夜は氷点下に下がり、高度のせいもあって、息苦しく寝られない状態が続きました。最初の2日間は雲が懸かり、気温も低く小雪ががちらつき、強風が続く最悪の天気でしたが、3日目くらいから晴れ始め、荷物を更に上のキャンプ地(4850m)まで荷揚げしました。
- 4日目に2人の体調を見て今後の行動を判断することにしましたが、どちらも高山病の兆候(不眠、倦怠感)が取れず、高所順応すれば落ち着くはずの脈拍も下がらないことから、登山続行では体力を消耗する可能性大と判断し、下山を決断しました。今思えば、最初の強行軍が祟った様です。
- 2人とも夏にスイスアルプスで4800mの高度に障害もなく上がっていただけに、油断していたようです。普通の人でもベ-ス・キャンプまで3日、4日はかけているようです。やはり高所登山は、宿泊が高所で続くだけに、高山病対策を万全にして、時間をかけ、徹底してゆっくり登るのが鉄則のようです。
- ベ-スキャンプでは他に、中国、ドイツ、フランス、米国、アルゼンチン等のパ-ティ-と食事を共にし、親交を深めました。多くの友人が得られるのは山の魅力ですね。
- 今年のアコンカグアは雪も多く、強風が続き、条件は良くありませんでした。成功したのは登山者のおそらく2割弱だと思います。私にとっても海外登山初の挫折となりましたが、非常にいい経験になりました。出来れば又近い将来作戦を練り直して再挑戦するつもりです。
- 余った日程はチリ南部のパタゴニア地方:プエルトモン周辺で過ごしました。誰も登山者が無く、全く手つかずの原始的な火山カルブッコの、単独貸し切り登山は最高に気持ちが良く充実しました。他に、パタゴニアの大平原と田園の中を1日中サイクリングしたり、夜にシ-フ-ドとワインを鱈腹食べたりと楽しんできました。
- 夏のアルプスといい、今回の旅行といい、今年は充実した時を過ごせました。
- 皆さんも良いお年をお迎え下さい。
以上
*禁無断転載

