Patagonia Information-General of Patagonia Expedition

基本情報





南米というと「危険」という印象があるかもしれませんが、パタゴニアのあるチリとアルゼンチンに限って言えば治安は比較的いいです。もちろん後述するように都市部ではそれなりの用心は必要ですが、一般的にはヨーロッパを旅行する程度の注意を払っておけばいいでしょう。特にパタゴニアまで行ってしまえば、そこは「田舎」ですので、余程の無茶をしない限り危険な目に会うことはまずありません。実際、最も日常的な危険は交通事故でしょう。

さて、都市部での治安の話ですが、サンチャゴやブエノスアイレスといった大都市ではパタゴニアのようにのんびり過ごすことはできません。地下鉄やバスのような人込みにはスリがいますし、現地の人でも白昼に引ったくりに遭ったりしていますのでやはり注意が必要です。対策としては、

  • 財布をズボンの後ろのポケットに入れない
  • バック、カバン、デイパック等は体の前に抱える

程度のことでも効果はあります。
さらに、

  • 財布を取り出すときはまず辺りを見回して怪しいのがいないのを確認する、
  • 小額紙幣や小銭で支払う、
  • お金は直接相手に手渡し、カウンターの上などに置かない
  • お釣りをもらうときも同様

などに気をつけてください。
また、地下鉄やバスに乗っているときにグイグイ押してくる人がいたらスリを疑っていいです。あわてず騒がず自分のカバンと財布を確認してください。この時、相手の身なりは参考になりません。汚いなりした若いのは「いかにも」と言った感じですが、その他サラリーマン風のおじさん、普通のおばさんでも「やる」人はいます 。人混みに入ったら注意を忘れずに。

 不幸にして引ったくり等に遭った場合、とりあえず大声を出して追いかけてみましょう。ドロボウのことをスペイン語で「ラドロン」と言いますが、大声で「ラドロンだー!」と叫びながら追いかけて行けば、近くにお巡りさんがいれば助けてくれるでしょう。ただし、通行人はまず協力してくれませんのでそのつもりで。あいにくお巡りさんも近くにいなくて、2~3ブロック追いかけて相手が狭い路地に逃げ込んだらそれ以上の深追いは禁物です。逆に相手の仲間たちに囲まれてもっとスリリングな目に遭いかねません。悲しい事ですが「盗られて困るものは持ち歩かない」、「命とパスポート以外は惜しまない」が海外を旅行するときの原則でしょうか。ただ、繰り返しますがこれは都市部のことでパタゴニアはずっと安全です。





パタゴニア旅行中は、チリとアルゼンチンの二つの国のお金と付きあう事になります。チリの通貨はチリペソ(Peso Chileno)、またアルゼンチンの通貨もアルゼンチン・ペソ(Peso Argentino)でどちらも”$”と標記されます。パタゴニアでは日本円を両替してくれるところはほとんどありませんので日本からドル(TCまたは現金)を用意して行きます。これを現地でペソに両替します。両替は銀行でもできますが、街中の両替屋(Casa de Cambio カサ・デ・カンビオ)の方が便利です。なお、いわゆる「闇レート」はありません。その他の注意点を国別に見てみましょう。

チリ: チリでは観光客向けの一部の店を除いてドルでの支払いを受け付けませんので、チリの町に着いたらまずドルをペソに両替しなければいけません。ただ、サンチャゴ空港の両替所では日本円をチリペソへ両替できます。ツアーなど短期間の滞在の場合、空港で円からペソへ両替しておくと良いでしょう。

アルゼンチン: アルゼンチンの通貨はアルゼンチン・ペソ(Peso Argentino)で標記も”$”とチリのものと同じですが、レートが全く違います。アルゼンチンでは以前は1ドル=1ペソの固定レートでしたが、2002年1月より為替変動制になり現在は実勢で1ドル=3~4ペソ程度となっています。





パタゴニアには危険な風土病はありませんので出発前に予防接種をする必要はありません。また、危険な毒虫、毒草もなく人を襲うような猛獣もいません。この点では非常に快適な所です。その他一般的な衛生状態もおおむね良いのですが、やはりチリでもアルゼンチンでもホテルなどの水道の水は飲めません。現地の人は飲んでいますが、まねをするのはやめたほうがいいでしょう。ミネラルウォーター(アグア・ミネラル)、ビール(セルベッサ)、ワイン(ビーノ)などを買って飲むようにします。トレッキング中に湧き水などを見かけることがありますが、飲めるところと飲めないところがありますので、見分けのつかない時や、おなかの弱い人は飲むのを控えたほうがいいでしょう。湖の水は一度沸かしてから使用します。
 さて、万一病気やけがをしたときには病院(オスピタル)のお世話になる訳ですが、現地の医者(メディコ)は支払いの保証をしてからでないとちゃんと診察してくれません。クレジットカードを渡すか、症状に見合った現金を先払いしないと治療してくれません。緊急の場合でも救急処置だけはしますが、それ以上のことはお勘定の後、という具合です。
 さて、医者にかかるのは嫌だから飲み薬で、という場合は薬局(ファルマシア)へ行きます。処方箋の必要な薬もありますが、例えば風邪をひいたときなどに飲む抗生物質(アンティビオティコ)などは比較的簡単に売ってくれます。ただ、現地の薬は強いので用法をよく読みやや少なめに(半分くらい、もしくは子供用の用量)服用する方が良いようです。




※別ページに「カタコトで何とかするスペイン語」という旅行会話集ページがありますのでそちらも参考にし下さい。

 チリとアルゼンチンの公用語はスペイン語です。ホテルなどを除いて街中では英語はほとんど通じません。実際には学校で英語を教えているので若い人なら少しくらいは、と思うのですがこれがやっぱり通じません。この点、日本と同じです。ですからこちらもある程度スペイン語で武装する必要があります。
 さて、ここでひとつうれしいことに、スペイン語は発音が簡単、カタカナ発音でOK。この点、英語よりよっぽど楽です。いままでの文章のなかで便利だと思われる単語の幾つかには括弧してスペイン語をカタカナで併記しておきましたが、これ、カタカナ読みで本当に通じます。大事なのはアクセントの場所で、これを間違えるとなかなか通じません。
 会話の基本は「大きく、はっきり、ゆっくり」話すことで、もし通じないときは声が小さいかアクセントが違っているかです。スペイン語のアクセントはカタカナにしたときの後ろから2~3文字目に来ます。ですからこの部分を強く発音すればおおむね正解です。ミネラルウォーターを意味する「アグア・ミネラル」の場合、「ミネラル」となり「セルベッサ(=ビール)」は「セルベッサ」です。 一部に例外はありますが、現場のスペイン語はおおむねこんな感じです。詳しくは専門の文法書か実用会話集を参照してください。
 アメリカとイギリスの英語が違っているようにスペインと南米のスペイン語は少し違います。さらに厳密にはチリとアルゼンチンでは言葉(言い回し、発音等)が違います。この違いは言わば方言なので、この違いが分かるようになって彼らの話し方の癖をまねできるようになるとずっと楽しくなります。これだけのことで周りの人の態度が変わって急に友達が増えます。やっぱり彼らにとっても、よそ者が自分たちと同じ言葉をしゃべるのはうれしいらしいです。
 パイネではチリ訛りで山小屋の女の子をからかって、フィッツロイではアルゼンチン訛りでガウチョ(パタゴニアのカウボーイ)のおやじさんとワイワイ騒いでワインを飲む。せっかく地球の裏側、それもほとんど人のいない辺境へ来たのだから、数少ない地元の人達とちょっとだけ仲よくなっていくというのも悪くないと思います。



パタゴニアを旅行するときには交通手段が少ないので日程調整に悩まされます。主な町の間には定期バスが通っていて、そのチケットは各々のバス会社のオフィスで購入します。ほとんどのバスが定員制なので、混み合う路線では早めに予約(チケット購入)しておくようにしましょう。予定していたバスが週2便で既に満席・・・なんて事になると大変。特に国境を越えるバスは本数が少ないので出来るだけ早めに席を確保しておいた方がよいでしょう。
 なお、一旦町を外れると交通量が極端に少なくなるので、ヒッチハイクは止めておきましょう。




 パタゴニアでトレッキングのプランを立てるときには面倒でも英語のガイドブックを参考にして計画を立ててください。ここでは欧米人の間で評判の高いガイドブックを3冊揚げておきますから、大きな本屋さんで探してみてください。

  • "South America Hand Book" (Trade & Travel Handbooks)
  • "Backpacking in Chile and Argentina" (Bradt Publications)
  • "Trekking in the Patagonia Andes" (Lonly Planet)

 さて、個人で安全にトレッキングするには、日本で2~3日間程度の縦走経験は必要です。これくらいの体力と山の知識が必要になってきます。装備も、雨具、トレッキングシューズ、テント、寝袋、携帯コンロ等が最低限必要になってきます。
 山小屋が利用できるところもありますが、満員の場合は泊めてくれませんので、予め予約していかない場合はやはりテントを持って行きましょう。
 たき火をしようと思っても雨が多くしめっているためマキでの調理は困難です。また、風が強いため傘やポンチョは役に立ちませんのでしっかりした透湿性(ゴアテックス等)のセパレートタイプの雨具が必要です。



フィッツロイ山の麓の町チャルテン(アルゼンチン)には比較的しっかりしたトレッキングガイド(英語&スペイン語)がおり、フィッツロイやセロ・トーレ峰方面へのトレッキングのガイドをしてくれますが、パイネ国立公園(チリ)にはなぜかきちんとしたトレッキングガイドはあまりいませんので、パイネへ行くガイドツアーを探す際には注意が必要です。プエルト・ナタレスには「トレッキングツアー」を謳っているツアー会社が幾つかありますが、申し込む前にガイドの質に付いてよく確認すると良いでしょう。

※1993年に日本人旅行者がチリ・パタゴニアのパイネ国立公園で装備と経験の不足により遭難死しています。個人で行かれる方は十分に注意してください。